「肘の外側がズキッと痛む」「握力が落ちて物をつかみにくい」「内側がジーンと響く」—そんなお悩みは、テニス肘（上腕骨外側上顆炎）またはゴルフ肘（上腕骨内側上顆炎）の可能性があります。どちらも“使いすぎ”で起こる代表的な肘の障害ですが、痛む場所や原因となる筋肉が違うため、ケア方法も少し変わります。
本記事では違いをわかりやすく整理し、筑紫野市のくまがい整骨院で実際に行っている評価・施術・セルフケア指導までご紹介します。
まずは違いを一目で
| 項目 | テニス肘（外側） | ゴルフ肘（内側） |
|---|---|---|
| どこが痛い？ | 肘の外側（上腕骨外側上顆） | 肘の内側（上腕骨内側上顆） |
| 痛みやすい動き | ドアノブを回す、フライパンを振る、タオルを絞る、バックハンド動作 | 手首を強く曲げる、物をつかんで引く、フォアハンドやダフリ |
| 関連筋 | 手首を伸ばす筋（長短橈側手根伸筋、総指伸筋 など） | 手首を曲げる・回内する筋（円回内筋、尺側/橈側手根屈筋 など） |
| 好発年齢 | 30〜50代に多い | 30〜50代に多い |
| スポーツ以外の要因 | PCマウス作業、重い荷物運搬、料理・清掃などの反復作業 | ドライバーの締め作業、工具・ハンマー作業、長時間のスマホ など |
| 代表的テスト | Cozen/Mill/Maudsley テストで外側に再現痛 | 抵抗下の手関節屈曲・回内で内側に再現痛 |
ポイント：外側＝伸ばす筋の使いすぎ、内側＝曲げる/回内の使いすぎと覚えるとセルフケアが選びやすくなります。
よくある症状チェック
テニス肘のサイン
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フライパンやヤカンを持ち上げると肘の外側が痛い
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タオルをひねる動作、ドアノブを回すとズキッ
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長時間マウス操作でだるさ→夕方に痛み増悪
ゴルフ肘のサイン
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買い物袋をぶら下げる・雑巾を強く絞ると内側が痛い
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ドライバーの素振り、ダフリの後から内側がジン
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キーボードでの前腕**回内（手のひら下向き）**が続くと痛み
原因とメカニズム（なぜ起きる？）
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どちらも前腕の腱付着部に“微小損傷”が蓄積して起きます。
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使いすぎ×回復不足に、姿勢（猫背・肩甲帯の安定不足）や道具（グリップ径・テンション）、作業環境（肘の位置、マウスの高さ）が重なると発症しやすくなります。
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痛む場所は違っても、首〜肩甲帯〜肘〜手首の連動エラーが共通の根っこにあることが多く、肘だけを揉んでも再発しやすいのが特徴です。
自分でできる初期セルフケア（痛み0〜3/10を目安）
痛みが強い時期は「保護・鎮痛・負荷調整」が最優先です。
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活動量の調整
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「痛みが出る動き」を一時的に20〜50%減らす（完全安静は×）。
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物は体に近づけて持つ、手首を反らさず前腕全体で支える。
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アイシング or 温冷
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急な炎症感・熱っぽさ→10〜15分のアイシングを1日2〜3回。
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慢性・朝こわばるタイプ→入浴や蒸しタオルで血流改善。
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ストレッチ（痛みが出ない範囲）
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テニス肘：肘伸ばし・手首屈曲ストレッチ（前腕伸筋群をのばす）
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ゴルフ肘：肘伸ばし・手首伸展ストレッチ（前腕屈筋群をのばす）
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いずれも20〜30秒×2〜3回、朝晩。痛みは最大3/10まで。
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サポーター（カウンターフォースベルト）
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前腕の中央あたりに装着して付着部の負担を分散。
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長時間つけっぱなしは避け、使う作業の前後中心に。
改善〜再発予防のエクササイズ（段階的）
痛みが落ち着いてきたら、**“ただ伸ばす→耐える→ゆっくり戻す（エキセントリック）”**へ発展。
フェーズ1：等尺性（動かさず力を入れる）
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肘90°、痛くない力で手首を伸ばす/曲げる方向へ各10秒×5回、1日1〜2セット
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痛みが3/10以内で翌日に残らなければ次へ
フェーズ2：コンセントリック（持ち上げ）
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500mlペットボトル等で手首の伸展/屈曲をゆっくり10回×2セット
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前腕の回内/回外も同様に
フェーズ3：エキセントリック（ゆっくり戻す）
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ゴムバーやダンベルで戻す動作をゆっくり（3–4秒）10回×2セット
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テニス肘：手首伸展の戻しを重点
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ゴルフ肘：手首屈曲の戻しを重点
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目安：痛み0〜2/10で翌日も悪化なしなら負荷アップ。悪化したら1段階戻すのがコツ。
競技・仕事での実践アドバイス
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テニス：バックハンド時に手首が反りすぎないよう前腕とラケットを一直線に。グリップ径・ストリングテンションの見直しで負担軽減。
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ゴルフ：グリッププレッシャーを中等度に、インパクトで手首が折れないよう体幹主導の回旋へ。ダフリ対策に前傾と下半身主導を意識。
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デスクワーク：マウスは肘の真横で前腕が水平になる高さに。リストレストの使いすぎで手首固定しすぎない。45–60分に1回は前腕ストレッチ。
受診の目安（要チェック）
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2〜3週間セルフケアで改善が乏しい
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つまむ・握る力が明らかに低下、夜間痛で眠れない
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肘だけでなく首〜肩、手指にしびれが出る
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肘の腫れ・熱感・発赤が強い、発熱を伴う
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急な“バチッ”という痛みで腱断裂が疑わしい など
くまがい整骨院のサポート（筑紫野市）
当院では、肘そのものだけでなく肩甲帯・頸胸椎・前腕の連動まで評価し、再発しにくい身体づくりをゴールに並走します。
評価
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触診／機能テスト（Cozen・Mill・抵抗下屈曲/回内 ほか）
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姿勢・可動性（頸椎/胸椎/肩甲上腕リズム）と動作分析
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作業・競技フォーム、道具（グリップ径/テンション）確認
施術
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前腕伸筋群・屈筋群の軟部組織調整、肘関節モビライゼーション
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肩甲帯・胸椎の可動性改善と神経ダイナミクス調整
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テーピング・サポーター指導、必要に応じ物理療法
トレーニング
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痛み段階に応じた等尺性→エキセントリックの処方
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競技復帰までの負荷進行表（回数・重さ・週当たり頻度）
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仕事/家事の動作代替案と休息サイクル設計
ご予約・ご相談：公式サイトやLINEからどうぞ（「テニス肘/ゴルフ肘の記事を見た」とお伝えください）。筑紫野市・太宰府市周辺の方もお気軽に。
よくある質問（FAQ）
Q1. どれくらいで良くなりますか？
軽症なら2〜6週で日常痛の軽減が見られます。慢性化・再発を繰り返す場合は3カ月前後を目安に段階的リハ＋フォーム修正が有効です。
Q2. 温める？冷やす？
炎症感・熱っぽさが強い急性増悪は冷却、慢性で朝のこわばり主体は温めが合うことが多いです。症状に応じて使い分けましょう。
Q3. 注射や手術は必要？
多くは保存療法（負荷調整・手技療法・運動療法）で改善します。難治例は医療機関と連携し、注射や先進治療の適応を検討します。
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