なぜ姿勢が股関節に影響するのか
股関節は骨盤—大腿骨で荷重を受ける“ハブ”。
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骨盤前傾+腰椎過前弯(反り腰):腸腰筋・TFLが過緊張→大腿骨頭が前上方に押され、屈曲・内旋でインピンジしやすい
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骨盤後傾+猫背:殿筋群が使われにくく、歩行時の推進力が低下→代償で鼠径部の張り・付着部痛
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中殿筋の機能低下:片脚立脚時に骨盤が落ち、股関節内側組織へストレス集中(Trendelenburg傾向)
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足部過回内(扁平足傾向):膝が内側へ入りやすく、股関節の内旋・内転が増えて鼠径部~外側痛を誘発
代表的な不良姿勢と起こりやすい症状
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反り腰(骨盤前傾)
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症状:鼠径部の詰まり感、階段昇降や屈曲で痛い、ラン後の前側の張り
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背景:腸腰筋・TFL短縮、腹横筋/殿筋の低活動
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猫背・骨盤後傾
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症状:お尻の深部痛、長時間座位後の立ち上がり痛
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背景:ハムストリングス短縮、股関節伸展制限、殿筋遅発
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片脚立ち・横座り・脚を組む癖
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症状:片側の外側痛(大転子周囲)、ITB(腸脛靭帯)張り
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背景:骨盤の左右差、股関節外側組織の摩擦・過緊張
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足部過回内+X脚傾向
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症状:膝内側~股関節内側の違和感、走行後の内転筋部痛
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背景:足アーチ低下→下肢全体のアライメント崩れ
シーン別:痛みを招きやすい動作
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デスクワーク:骨盤後傾座りで殿筋オフ→立ち上がりの初動が痛い
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長時間の立ち仕事:片脚荷重・スウェイバックで股関節前面に負担
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育児・抱っこ:常に同側で抱く→片側外側痛
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スポーツ:ランやカット動作で内旋・内転が強く出るフォーム
自分でできるセルフチェック(30秒)
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壁立ち3点チェック(後頭部・背中・お尻が壁につき、腰の隙間は指1~2本)
→ 指3本以上=反り腰気味、0本=後傾気味 -
片脚立ち30秒(骨盤が水平か)
→ 片側で落ちる=中殿筋の弱さサイン -
スクワット5回(膝が内側に入らず、鼠径部の詰まりが出ないか)
改善の基本アプローチ
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柔軟性:腸腰筋・TFL・大腿直筋をゆるめる
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筋力:中殿筋・外旋六筋・殿大筋+腹横筋の“タイミング”を取り戻す
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動作再学習:立ち・座り・歩行の骨盤中間位を身につける
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足部コントロール:過回内を抑える(シューズ/インソール検討)
1日5分のルーティン(目安3~4週)
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ヒップフレクサーストレッチ(左右30秒×2)
片膝立ちで骨盤を起こし、みぞおちを上へ。腰を反らさず前へ。 -
クラムシェル(左右12回×2)
横向き膝90°。骨盤を固定し、膝だけを開閉。中殿筋に効く角度を探す。 -
ヒップリフト(ブリッジ)(12回×2)
かかとで床を押し、お尻を持ち上げる。下ろす時にゆっくり制御。
※ 痛み再現が強い場合は中止し、専門家に相談。
こんな場合は受診を
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夜間痛・安静時痛、熱感・腫脹、歩行困難
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しびれや脱力を伴う、外傷後の急性痛
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痛みが3週間以上改善しない
よくある質問(本文にも表示)
Q1. 反り腰は必ず股関節痛の原因ですか?
A. 全員ではありませんが、前方インピンジ傾向が強まりやすくリスクは上がります。中間位学習と腸腰筋ケアが有効です。
Q2. 座り仕事で痛みを減らすコツは?
A. 骨盤を起こし、座面は深く。肘置き/足裏全接地/画面目線を調整し、30~45分ごとに立ち上がりましょう。
Q3. 走ると股関節前が詰まるときは?
A. 接地時の“膝が内側に入る”動作や骨盤の過前傾が要因のことが多いです。中殿筋強化とフォーム見直しを。
Q4. どのくらいで改善しますか?
A. 生活動作の見直し+エクササイズを継続できれば、2~4週で体感が出ることが多いです(個人差あり)。
まとめ & ご案内
姿勢は“形”ではなく“使い方”。骨盤中間位と殿筋のタイミングを取り戻すことが、股関節の快適さへの近道です。
筑紫野市のくまがい整骨院では、姿勢評価~運動指導まで一人ひとりに最適化してご提案します。LINE・お電話でお気軽にどうぞ。
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