症状

ほとんどは膝蓋骨が外側に脱臼(外側脱臼)します。

新鮮例では膝関節の痛みや腫れが生じます。

脱臼を繰り返す(反復性脱臼)ようになると痛みや腫れなどは少なくなり、不安定感を強く訴えます。

原因と病態

ジャンプの着地などで、膝を伸ばす太ももの筋肉(大腿四頭筋)が強く収縮したときに起こります。

膝蓋骨は大腿骨に対して外側に脱臼することがほとんどで、自然に整復されることも少なくありません。

初回の脱臼は10歳代の女性が生じることが多く、その後20~50%の方が繰り返し脱臼をきたすことがあります(反復性脱臼)。

生まれつきの素因を持っていることが多く、膝蓋骨や大腿骨の形の異常、大腿四頭筋の作用する方向と膝蓋靭帯の方向が異なっていることなどがあげられます。また膝蓋骨の脱臼や整復の際に膝蓋骨や大腿骨の関節面の一部が骨折することがあります。

診断

診察上、受傷機転や膝蓋骨内側の痛みや腫れ、膝蓋骨の不安定性や不安感が著明であることで疑います。
骨折の有無を見るため、必ずX線(レントゲン)撮影をします。

特に軸斜の撮影で骨軟骨骨折の有無を診断します。骨軟骨骨折を伴う場合は、関節血腫を生じて膝蓋骨の外方不安定性が著明です。

脱臼しても自然に整復されることが多く、骨折がないと見逃されることもあります。

予防と治療

膝蓋骨脱臼防止用の装具 脱臼防止用の装具

初回膝蓋骨脱臼では、骨折がない場合は、整復されていない場合は整復をした後に、外固定などの一般的な処置が必要です。

反復性脱臼や、初回脱臼でも脱臼しやすい素因が明らかで反復性脱臼になる可能性が高い場合や骨片のある場合には手術治療が勧められます。手術を行わない場合には、脱臼しにくくするための装具を用いる場合もあります。

治療方針は年齢や病態などによってさまざまなので、担当医とよく相談して決めることが大切です。

スポーツ復帰

スポーツ復帰は、膝の痛み、腫れ、運動制限が消失し、筋力も回復してからです。

通常は2ヵ月以上かかります。

手術を受けた場合は、手術の方法にもよりますが、3~6ヵ月はかかります。

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